献血 10 大ニュース (1999 年) へのコメント (by りょう☆さん)

講評

さとうさんが講評で述べられている通り、話題の多い年であったことは まちがいないでしょう。 3 つを選んで投票、という方式に苦慮 (をい) した方も多いのではないでしょうか。かく言うりょう☆もさんざん 悩んだ末、やはり webmaster として

を、また、波紋をさらによびそうなサイトを作ったり、その波紋 (そのものではないけど) 震源地の1つであるところで 200mL 献血を したということで、

を、そして、献血日・場所、すなわち献血のスイートなメモリー ((C)すももさん) がどんどん上書きされてしまう献血カードが大嫌い (^^;;; で、 なおさら本州で献血をすることが増えたけれども、問診票に住所などを書く 手間が省けたというメリット「も」享受した、ということで、

を選びましたが、

このあたりも票を投じたかったところです。(特に奥嶋さんのテレビ出演・ 小園さんの (地方版とはいえ) 全国紙紙面登場には・・・(^^)。)

感想

「十大」にはあまりこだわらずに (をい) さとうさんの例にならって?自分なりに 思うところをまとめてみます。

献血のメディア露出について

日赤が承知で (あるいは協力して) やっていることと、日赤の意向なんて気にせずに 勝手にやっているところ (^^;;; に大別できると思います。

前者としては一部のウエブサイト、TBS系列のテレビ番組「○チンコ」 (よせその伏せ字) などがあります。残念なことに、血液センターのサイトははっきり いって「インターネットのサイト」として機能しているのは新潟県赤十字血液センター くらいでしょう。サイトそれぞれには目的があり、一概に速報性があり親しみやすい ことがサイトの必須条件であるとは思いませんが、これらの条件を十分に満たし、 サイトとしての存在意義のあるものだと思います。Q&Aコーナーにおける姿 勢を見ても、 非常に好感がもてます (と私なんぞに好感をもってもらっても・・・)。

片や、読む側の都合を考えないやたらめったら重いあるいはレイアウトが 悪いサイト、 以前はトップページの所長の顔をでかでか?と掲載していてごあいさつ音声デー タまで 置いていたサイト、リンクページがあるけど、およそ一般人には関わりのない 学術系?な サイトばかりで国内の他の血液センターあるいは日赤本社にすらリンクをしていない サイト、自分のところの献血ルームの受付時間・定休日・電話番号まで間違え ていたサイト、 およそ mailto: とは思えないような場所が mailto: になっているサイトなど、 およそ「自分たちの事業に対して理解・親しみをもってもらう」という姿勢が 欠けているのでは?と思わせるサイトが公然と存在することが残念です。

情報発信のひとつの手段として考えているのであれば、それなりに考えていただき たいと思います。 (あるいはただトレンドに流されて、というだけなのならそ ういったものに かかるコストは削減していただきたいです。)

テレビ番組についてですが、「献血サイコー」とバカ騒ぎしただけ、と いうのが正直な 印象です。そこのテレビ局のサイトの掲示板に「あの集まった人数が偽りだ」「会場 ちょっと前までだれも会場に来ていなかったのではなくて別の場所で集められていた」 などの、番組の内容に関する書き込みもあったようです。事の真偽は知る由もあり ませんが、献血が視聴率、ひいては広告収入を目当てとするテレビ局の目的のために 利用されただけという結果だとすれば残念です。

後者、すなわち日赤の意向なんて気にせずに勝手にやっているところ (^^;;;については、 概して更新も活発で、献血する側が作っている場合が多く、一般の方々 (?) に比較的近い視線で内容が作成されているのではないでしょうか、と思います。 正確な記述となるように期していきたいものです。

献血にまつわる諸システムの変化

献血できる人の基準としては年齢の引き上げがありました。したい、という気持ちの 意志の方ができるようになる、各種基準の緩和についてはいいことだと思いま す。ただ、 量を集めることが目的、というのでは困りますが。

受付システムの全国接続も見逃せません。仕様的には同様のシステムを使っ ておきながら今になって、というのは遅きに失した感もありますが、より安全 な血液製剤・血漿分画製剤の製造・供給に寄与することになるのであれば、結 構なことだと思います。

システムと言えば一昨年に正式運用がスタートした北海道限定の献血カードシステム ですが、各地の血液センター職員氏の「北海道は先進的な取り組みをされている」との 言葉の裏に「勝手なことをやっている」との意味合いも感じました。データの 管理が安全な 製剤の製造・供給に寄与するとすれば、それはデータの一元管理であると思います。 その意味に置いて、献血カードなのか、献血手帳なのかといったことには大した意味は ないわけです。先進的な取り組みの中には当然失敗も含まれるわけで、そればかりを 責めるのは無責任ですが、データの一元管理を進めるのであれば、巨額なコストが かかっているらしい献血カードに膨大な情報を蓄積する、という考えも捨てる べきでしょう。 (例えば別人の献血カードを使って献血することを防ぐために写真のデータが 入っている そうですが、献血カードを忘れたと言ってしまえば献血カードに入っている写真では 用をなしませんよね。) 北海道の献血カードシステムには引き返す勇気を求めたいと 思います。

検査のシステムについては、 NAT 検査導入がありましたが、これには大き なコストと時間がかかるそうで、多人数の試験体をまとめて検査し、異常が認 められた場合は細かく検査する、という方法をとっているそうです。多大なコ ストがかかっている、また、善意 (ということになっている) に由来している血液製剤を、注文すれば届く、会 計処理は薬と同じ、という現在の制度はどうかと思います。

200mL献血「問題」

献血は各人の意志でする、という現行制度である以上、「できれば400mL献血を・・・」と いうのは当然かまわないわけですが、各地の血液センターで見受けられた明らかに各人の 意志を否定しにかかるような暴言は許されないと思います。そういった暴言は「献血者の 意志よりも厚生省・日赤の方針を優先するんだ」との姿勢の表れであり、現行制度の否定に 他なりません。

現行制度の趣旨・理念を尊重するのであれば、さとうさんも述べられている通り、 少なくとも気持ちよく献血できる環境 (接遇も含めて) を求めたいと思います し、そうでなく、各人の意志を尊重しない、というのであれば日赤はその旨表 明して、血液事業に当たる べきでしょう。テレビ番組「○チンコ」やらキャンペーン「Love Message」や らでは 「あなた方がしようとしている献血は厚生省・日赤の方針とは合致しないこと があります。 こちらの方針に従っていただきます。素直に従わなければあなた方献血しに来 られた方に 暴言を吐いて、不快な思いをさせますよ。」というメッセージはだれにも伝わっ てはいません。

日赤が献血者を「ボランティア」としてとらえるのであれば少なくとも来た人間に 不快感を与える接遇は最低だと思います。あるいは「モノ目当てに来ている」 「日赤の言うことを聞いて当然」ととらえているのであれば「愛の献血」だの 「身近にできるボランティア」などのうそ・大げさ・紛らわしい言葉は献血から 切り離していただきたいものです。



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